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将来の夢は何でしたか

 

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もうすぐ七夕ですね。
みなさんも七夕飾りの短冊に願い事を書いたことがあると思います。
合格祈願とか、家内安全、商売繁盛なんて書いてしまう人は神社に行った方がよさそうです。
「すてきな彼が見つかりますように」「かわいい彼女ができますように」なんていうのも、星に祈るようなことじゃないようにも思えますが、牽牛と織女の物語にちなむならば、本当はそれが一番ふさわしいのかも知れません。

子供のころに短冊に書く願い事の定番は、やはり将来の夢でしょう。

プロサッカー選手になれますように。

保育園の先生になれますように。

人気が集中する「将来の夢」は時代とともに変化するでしょうけれど、いつだってみんなの夢は1つじゃなくて、色々な夢があっていいんだと思います。

日本国憲法にこんな規定があります。

何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

憲法22条1項

「職業選択の自由」は経済的自由の1つと説明されるのが一般的です。どんな仕事に就いて、どうやって稼ぎを得るかについては、原則として国が干渉することではない、個人に認められた自由なのだというわけです。

もちろん、誰がどんな仕事をしてもかまわないというわけにはいきません。武器や危険薬物の売買を商売にするとか、みかじめ料を取ってにらみを利かせる仕事などは認められませんし、知識も腕もないのに誰でも医者になれたら患者の命にかかわりますし、法律も判例も知らなくても弁護士になれたらもめ事をもっと炎上させてしまうかも知れません。公共の福祉のために、違法な商売を取締ったり、国民の生命、身体、財産などを保護するために、一定の職業を資格制にするのは、国としての責務とも言えるでしょう。

職業選択の自由について忘れてはいけない大切なことは、誰だって自分は将来こういうことをやってみたい、そのためにこういう仕事に就いてみたいと思えることです。そのために悩んだり、苦労したり、挫折したり、その末に夢を叶えたりしながら、人として成長できるという側面が、職業選択の自由にはある。それは、経済的自由という範囲を超えて、精神的な人格形成にも不可欠な自由だということです。

夢と願い事を託された七夕飾りも、もし職業選択の自由が認められていなかったら、少しさびしくなっていたかも知れません。

 - 第3章 国民の権利及び義務 , , ,

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